30代男性。
主訴は頭痛でその他に倦怠感や睡眠障害など様々な自律神経症状がある。
大学生の頃からの症状で10年程続いている。受験勉強や日々のデスクワークで首コリの自覚はある。
今までは薬で誤魔化しながらの生活で根本的な改善をしようと考えたことはなかった。
先日たまたまマッサージを受けた時に少し楽になる感覚があった為、もしや筋肉が原因で症状が出ているのでは….??
とのことでご来院されました。
頸部、肩関節共に可動域制限はなし。
後頸部全体が酷く浮腫んでおり、頭半棘筋停止部触診時に認知覚(頭痛が再現するような感覚)が診られました。
頭痛症状=頭半棘筋TPによるものとして治療を開始しました。
その他自律神経症状の改善を目的に、「僧帽筋」「胸鎖乳突筋」「後頭下筋群」などの治療も併せて行いました。
1回目:浮腫が酷く、表面的なコリが強いため初回は細めの鍼(0.16m)を使用しました。
→治療直後から軽くなる感覚。早期改善を目的としていたため治療初期は週2回ご来院頂きました。
3回目:表面的な部分がかなり緩みポイントもかなりハッキリしてきたので鍼の太さ、長さを変えてより深層の筋肉へのアプローチを行ないました。(0.20m使用)
→目覚めが良くなり、頭痛の頻度も激減する。
8回目:頭痛症状、その他自律神経症状は改善しました。生活は変わらず長時間のデスクワークが続くとのことで、月1回ほどのメンテナンスを行なっています。
頭半棘筋のトリガーポイントが頭痛症状を再現し、治療の中心となる部位としてアプローチしました。
頭痛は必ずしも脳や血管に問題があるわけではなく、筋肉が原因となっているケースも多く見られます。
また、慢性的な首肩の緊張は交感神経を刺激し、不眠や倦怠感といった自律神経症状を引き起こす要因となります。
鍼治療は筋緊張の緩和に加え、自律神経を整える作用もあるため複合的な症状改善につながりました。
長時間のデスクワークという生活背景を変えることは難しいものの、定期的な治療とメンテナンスを行うことで薬に頼らない生活も可能です。