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40代男性 肩の痛み

問診

半年前から続く左肩の痛み。朝起きたときに激痛が走り、整形外科でレントゲン検査を受けたが異常は見られなかった。その後、5回ほどヒアルロン酸注射を受けるも痛みや可動域に大きな変化はなく、当初と比べると関節の動きは少し改善し夜間痛も減ったが、依然として痛みが残っている。

特に強い時には上腕の外側まで痛みが広がることもあり、痛み止めを服用しても根本的な改善はみられず「このまま治らないのでは」と不安を抱いていた。知人の紹介で鍼治療を希望され来院。

検査・治療方針

検査では肩関節の外転・外旋時に圧痛と可動域制限を確認。

可動域の制限が強く、うつ伏せでの施術が難しかったため横向きで治療を実施。主に棘下筋のトリガーポイントに鍼を行い、併せて三角筋・僧帽筋にもアプローチした。施術後は横向きの状態で関節可動域の改善を目的としたリハビリを行った。

治療の経過
  • 1回目:痛み 10 → 3。肩関節の可動域が改善し、圧痛も軽減。ただし「あと一歩動ききらない感覚」が残る。
  • 3回目:痛み 3 → 1。寝起きの軽い痛みは残るが、日常生活には支障がなくなる。
  • 5回目:重たい荷物を持った時など自重以外の負荷がかかると痛むが、それ以外の動作ではほぼ問題なし。
  • 10回目:痛み 1 → 0。関節可動域の左右差も解消され、肩が痛くなる前の生活を取り戻す。
考察

今回の症例では、痛みが落ち着いてくるにつれて肩の動きも少しずつ回復していきました。
ただし、半年ほどほとんど肩を動かせない状態が続いていたため、左右差が完全になくなるまでには少し時間が必要でした。

肩の筋肉には「トリガーポイント」と呼ばれる、硬いしこりのような部分ができやすく、これがあると痛みだけでなく関節の動きの制限にもつながってしまいます。
そのため、鍼治療でトリガーポイントをしっかり緩めることに加えて、固まってしまった関節を少しずつ動かしていくリハビリを組み合わせることがとても大切です。

また、いわゆる「四十肩・五十肩」と呼ばれる症状は、痛みが出てからどのくらい時間が経っているかによって治療の内容も変わってきます。痛みの期間が長ければ長いほど関節も固まりやすくなるため、回復にも時間がかかってしまいます。
だからこそ、できるだけ早い段階で適切な治療を始めることが改善の近道になります。